パソコン雑学ひろば

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ちょっと待って!そのRyzen本当に「最新世代」?

6月30日に掲載されたLenovoのスポンサード記事なんですが、ちょっと気になったので。

 

pc.watch.impress.co.jp

 

記事の中で「最新世代の AMD Ryzen™ 7000 シリーズ・プロセッサー と16GBメモリを搭載し」と有るのですが、このモデルに搭載されているのはRyzen 5 7530Uというモデルです。

 

モバイル版Ryzen 7000シリーズは今年の1月に発表されたシリーズですが、実は5種類に区別できます(詳細は過去の記事)が、注目したいのは下二けたの部分です。

 

今回で言うとRyzen 5 7530Uの「30」の所です。

 

まず十の位の「3」の所はCPUコアの世代を表しています。

Ryzenは初代RyzenでZenというアーキテクチャを採用して、世代ごとに改良を重ねてきておりZen 2、Zen 3と進化してきて最新のアーキテクチャはZen 4となります。

よって7530UはZen 3アーキテクチャの製品となり、実はCPU世代は一つ前なのです。

Zen 3とZen 4では30%位処理性能が違います。

 

そして一の位は同じCPU世代内での優位差になるのですが、AMDの資料によるとZen 3アーキテクチャの製品は Ryzen 5では7535U、7530Uの2つありますが、7530UはiGPU(内蔵グラフィックス)が「AMD Radeon™ Graphics」となっており、7535Uは「AMD Radeon™ 660M」となっています。

AMD Radeon™ Graphics」はGPUのVegaと言うアーキテクチャを使用しており、単体製品としては2017年のRadeon RX Vegaシリーズと同じです。

AMD Radeon™ 660M」はRDNA 2アーキテクチャでVegaからは2世代新しくなっており、単体製品は2020年のRadeon RX 6000シリーズとなります。

尚、Ryzen 5 7640Uの「AMD Radeon™ 760M」はRDNA 3と最新のGPUアーキテクチャになります。

 

なんだか長くなってまとまりがなくなってしまいましたが…

 

要するにRyzen 5 7530Uは、最新世代と言いつつもCPUは1世代前、iGPUは3世代前の製品であり、実はほぼRyzen 5 5625Uの名前を付けなおしたものになります。

(細かく見るとCPUの基本クロックが2.3GHzから2.0GHz、最大ブーストクロックが4.3GHzから4.5GHzにGPU周波数が1800MHzから2000MHzと若干省電力かつ性能向上しています。)

 

尚、Officeなど一般的な通常用途に使用する分には記事に書かれている通り申し分の無い性能ではあると思います。