IntelがArmプロセッサの製造受託を行えるようになりました。
Intelはご承知の通り自社設計のx86アーキテクチャのCPUを製造して販売している企業ですが、Intelが自社でArmアーキテクチャのプロセッサを設計して販売するというわけではなくて、自社のFabを他社に開放してTSMCの様にファブレス企業の製品を製造するFファウンドリー事業も立ち上げているのですが、今回の契約でArmアーキテクチャの製品が扱えるようになったというお話です。
ただ、Inelは過去にArmプロセッサを自社製造販売していたことがあります。
DECという企業(PDP/VAXというミニコンで有名だった企業。1998年にCOMPAQが買収、そのCOMPAQも2001年にHewlett-Packardが買収した)との訴訟の和解案としてStrongARMという製品が売却されてIntelの製品として製造販売され、その後XScaleシリーズになりましたが、2006年にMarvell Technology Groupに売却されました。
一時期はWindows CE系のPDA/スマートフォンの標準プロセッサ的な立ち位置を占めていたのにもったいないなぁと思ったものです。
ファウンドリーと言えば、TSMCが大人気でFabの取り合いになっていますが、Intelはx86プロセッサを見ればわかるように性能はいいので、それなりに顧客はつきそうな気もします。
Armプロセッサ製造のファウンドリーと言えば韓国サムスン電子もありますが、先日出た23年第一四半期の決算は営業利益が前年同期比96%減ととんでもないことになっていました。
まぁ利益の大半はメモリ(DRAM、Flash)だったと思いますが、メモリの工場は大半が中国にあるので今年10月以降はアメリカの規制関係でどうなるかわかりませんし、ファウンドリー事業も歩留まり率の問題とか発熱の問題でTSMCに顧客を奪われていますね。(NVIDIAのGeforce 4000シリーズとかQualcommのSnapdragonシリーズとか)
今回のIntelの参入でサムスンのファウンドリー事業はますます厳しくなったんじゃないでしょうか。