パソコン雑学ひろば

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X68000Z

ZUIKIのX68000Zクラウドファンディングが目標3,300万に対してたった1日で1億を超え、12/13現在は2億を超えています。びっくりです。

 

www.itmedia.co.jp

 

X68000は1987年にシャープ(株)から発売された16bit機のパーソナルワークステーションです。

当時シャープには型番がMZから始まるMZシリーズとX1シリーズの2系統のパソコンがありましたが、X68000はXの型番のとおりX1の後継機となります。

MZシリーズはシャープ部品事業部が開発し情報システム事業部に引き継がれて展開されていましたが、X1シリーズはTV事業部が開発したシリーズで、専用のディスプレイもTVチューナーが付いていました。

ちなみに似た様な話はNECにも有って、PC-8001/8801シリーズはマイクロコンピュータ事業部、PC-9801シリーズは情報処理小型システム事業部、PC-6001シリーズはテレビ事業部の開発です。

MZもPC-8001も元々は電子部品部門が新規商材であるマイクロコンピュータを普及させるために作った、トレーニングキット(今だとRaspberry Piラズベリーパイ)の様な物)が始まりです。

 

なお、X1の後継機と言っても互換性は全くありません。

X1はCPUにZilog(ザイログ)のZ80を使用していましたが、X68000は型番でも分かる様にMotorolaモトローラ)の16bitMPU MC68000を使用していました。MC68000はパソコンよりもミニコンワークステーションでよく採用されていたパワフルなCPUで、最近話題のメガドライブMC68000を使用していたりします。初代MacMacintosh)も使用していましたね。

最終モデルのX68030では32bitMPUのMC68EC030(MMU(メモリ管理ユニット)無しの廉価版)を採用していました。

 

X68000はその他にも他社が4096色中16色表示(PC-9801)や4096色同時表示(FM-77AV)を誇っていた時代に65536色同時表示のグラフィックスをひっさげ、ハードウェアスプライト機能(ゲームのキャラクタ表示に使用される機能、パソコンではMSX位しか搭載されていませんでした)も搭載しており、その性能はファミコンが横に8ドット×8ドットのスプライト8枚までに対してX68000は16ドット×16ドットのスプライトを32枚まで表示可能(スプライト機能は表示可能限界を超えるとチラつきます)です。

音楽機能も他社がFM3音+PSG3音に対してFM8音+ADPCM1音など他社製品を圧倒していました。

それらの性能を示すべく、ゲームセンターそのままと言ってもいい出来のグラディウスを標準添付して衝撃のデビューを飾りました。

 

そんな高性能なX68000ですが、お値段もお高くて専用モニタとセットで50万円。

参考に当時の大卒初任給は148,200円です。当時子供で欲しくて溜まらなかったけど、とてもじゃないけど手が出なかった人たちが、今あの時の思いを叶えるべく購入しているんでしょうね。

私も羨望のまなざしで憧れていましたが、X68000Zの購入は躊躇しています。

財政状況の問題もありますが、購入しても自分でプログラムとかやらないとあまり活用できないんですよね。

それに、X68000を触りたいだけならばWindowsで使用できる優秀なエミュレータXM6)もありますし。

 

なんだかまとまりも無くなってしまいましたが、X68000Zプロジェクトは期待を込めて応援しています。