Intelも「Copilot+ PC」対応のSoCを発表しました。
コードネーム「Lunar Lake」と呼ばれる製品で、2024年第3四半期に正式発表を計画している次世代薄型ノートPC向けSoCです。
Lunar Lakeは、Pコアの「Lion Cove」、Eコアの「Skymont」、GPUの「Xe2」、NPUの「第4世代NPU」を搭載しており、CPU、GPU、NPUすべてのプロセッサが新しくなり、それぞれの性能が強化されています。それにもかかわらず、SoC全体の消費電力は40%も低減されていることが大きな特徴です。
今回Intelが発表したLunar Lakeに採用されている新しいPコア「Lion Cove」の大きな特徴は、シングルスレッドの性能を引き上げるためにIPCを向上させ、かつ電力効率を改善するために無駄なブロックを削り、効率を徹底的に追求したデザインであることです。特に、HTT(Hyper-Threading Technology)を廃止したことが注目されています。
HTTは、1つのCPUコアを疑似的に2つのCPUコアに見せかける技術で、2002年のPentium 4から採用されてきた技術です。物理的に2つのCPUコアにしない理由は、実装面積を減らすためと、コア内の各演算ブロックの利用効率を高めるためです。ただ、各ブロックは存在しているだけでも電力を消費するため、今回は消費電力削減を重視してHTTを廃止したようです。
さらに、Lunar LakeのコンピュートタイルがTSMCで製造されるというのも衝撃的なニュースです。TSMCはIntelの最大のライバルですが、そのライバル企業に自社のCPU製造を委託するというのは大きな決断です。
GPU全体での性能は従来製品(Core UltraのUシリーズ)と比較して1.5倍になっています。
NPUは演算器が3倍、DSPが6倍に増え、48TOPSという性能を実現しています。これは、AMDのRyzen AI 300に搭載されている「XDNA 2」の50TOPSに次いで業界第2位の性能です。
第3四半期と少し先の登場ですが、こちらも楽しみですね。