スクウェア・エニックスが「ドラゴンクエストXオンライン」のサーバー用OSにRHELを採用したそうです。
私は2012年の初代Wii版の時にWii本体と同時にドラゴンクエストXを購入して(途中だ数年ブランクはありましたが)プレイしていたりします。
当初から運営側は10年続けたいと言っていましたが言葉通り去年で10周年を迎え、今はVer6も終盤に近付いていますが、来年にはVer7も出るようなので、まだまだしばらくは続きそうです。
2月末にもVer6.4に更新されて、メインストーリーも進んで気にはなっているのですが、今は「WILD HEARTS」をプレイしていてドラゴンクエストXの方には手が回っておりません。
話がそれましたが、本題に入っていきますね。
オンラインゲームは長期間運用するのですが、基本的にプログラムやサーバーのツール等は最初に構築したものからほとんど変更できません。
しかし、運用を続けていく間には当然、ハードウェアの更新やOSの更新などが発生します。その時プログラムやツールなどが最新のハードウェアやOSに対応できなくなったりすることも割とある話です。
同じスクエニのオンラインゲームだと「ファイナルファンタジーXI」がサービス開始してからもう20年経っていますが、何かの動画でサーバーの保守が相当に大変だと言っていました。
ドラゴンクエストXではそういった事態に対応するためにコンテナー技術を活用していくという事で、そのために必要な知識等を自力で取得するのが大変なのでRedHatのコンサルサポートを受けて、OSもRHELを採用したという話の様です。
プロデューサー青山さん著作の「ドラゴンクエストXを支える技術」と言う書籍を読んだことがあるのですが、OSはLinux、DB(データベース)はOracle Exadata、クラウドはAWSを使用していると書いてありました。
Oracle Exadataは主に金融機関で採用されていることが多い大規模なDBシステムでゲーム関係での採用は珍しかったようです。
今回はそのLinuxをRHELに変更したという話なのですが、RHELもRed Hat社が販売している「Red Hat Enterprise Linux」というLinuxです。RHELにしたということは今までは「CentOS」でも使用していたのでしょうかね。
Linuxと言えばOSS(オープンソースソフトウェア)の代表的なソフトウェアですが、OSSと言えば無料で使えるというのもよく言われるメリットです。
RHELは年毎にサポート費用の発生するサブスクリプション制です。
なぜわざわざ無料で使用できるLinuxを有料版に変更したかと言うと、やはり日々使用していく上でのスタッフの人的なコスト負担が大きかったということですね。
サポート費用が発生しないと言うのは一見運用コストが低く見えますが、日々のトラブル対応や実現したい技術的な対応に関してもすべて自分たちで調査・対応を行う必要があり、そういった事に費やされる時間は目に見えない運用コストだったりします。
しかし、保守サポートを受けていれば専門の技術を持ったサポートスタッフに相談・対応ができますので、結果的に解決にかかる時間が減って、運用スタッフも保守サポートに対応してもらっている間にほかのことができますし、トータルで言えば運用コストが低くなるということです。
まぁ、経営層はなかなかそう言った目に見えないコストに関しては理解してくれないことも多いのですが…
ちなみに「ドラゴンクエストXを支える技術」もオンラインゲームの裏方でどんなことが行われているか興味深く書かれていて面白いと思いますのでよかったらぜひ読んでみてください。