ADMがRyzen 9 7950X3D/7900X3Dを発表しました。
これは既存のRyzen 9 7950X/7900Xに3D V-Cacheと言うキャッシュメモリを追加した製品で、主にゲームやクリエイティブな処理に効果を発揮する製品です。
写真はRyzen 7 5800X3Dですが、CPUチップの上に物理的にキャッシュメモリチップを乗っけています。
メインメモリはCPUの動作速度と比較すると数十倍以上も遅い為、メモリアクセスをする際にCPUは無駄な読み込み待ち時間が発生するのですが、CPUの速度についていける小容量の高速なメモリ(SRAM)がCPUに内蔵されていており、それをキャッシュメモリと言います。キャッシュメモリは繰り返し使用されるメモリ部分の内容をコピーしておくことで遅いメインメモリを参照しなくて済むようにするためのものです。
であれば、もっと大量にキャッシュメモリを乗せれば…と思うでしょうが、キャッシュメモリに使用されるSRAMと言うものは演算に使用する回路と比べて非常に大きな面積を使用するのです。半導体チップの面積が大きくなると、シリコンウェーハ一枚当たりで製造できる製品の個数が減りますし、表面にごみが付着したりして欠陥になる比率も上昇するため製造コストが跳ね上がるため、キャッシュメモリは必要最小限に設計されます。
そこで、解決策としてキャッシュメモリは別のシリコンチップとして生産して、CPUチップの上に直付けで載せて解決する手法が3D V-Cache技術です。
現在のRyzen 9 7900シリーズではCPUコア(CCD)が2つ搭載されていますが、片方のCCDに搭載されており、3D V-Cache搭載CCDは96MB、非搭載CCDは32MB、合わせて128MBのL3キャッシュ容量になっています。なぜCCD1つにしか載せていないかと言うと追加コストに性能向上率が見合わない為の様です。
気になる性能ですが、競合のIntel Core i9-13900Kと比較して遜色ない性能となっているようです。
尚、国内販売は2023年3月3日11時からで、「Ryzen 9 7950X3D」の価格は11万1,800円、「Ryzen 9 7900X3D」は9万5,800円とのことです。