中国企業がサーバー用のCPUを発表しました。
x86プロセッサとはIntelのCPUと互換性が有る命令セットを持っているプロセッサのことです。もちろんIntelが権利を保有しているので勝手には使えませんが、この会社は過去にIntelとクロスライセンス契約を結んでいる台湾企業のVIAテクノロジーズと上海市政府のジョイントベンチャーによるファブレスの半導体会社と言うことなので法的には問題無いようです。
プロセスルールは16nmということでIntelで言うと第4世代のHaswell(2013年:22nm)と第6世代のSkylake(2014年:14nm)の中間くらいでしょうか。
(Intelの最新はPC向けが13世代でRaptor Lake:10nm(Intel 7 Ultra)、サーバー向けは第10世代Ice Lake:10nm)
仕様的にはSkylakeのサーバー向けCPUであるW-3175Xと比較すると
KH-40000/32 | W-3175X | |
---|---|---|
コア数 | 32 | 28 |
スレッド数 | 32? | 56 |
ベース周波数 | 2.2GHz | 3.1GHz |
最高周波数 | 2.7GHz | 3.8GHz |
キャッシュ容量 | 64MB | 38.5MB |
メモリ | DDR4-3200 8チャネル2TB | DDR4-2666 6チャネル512GB |
コア数は多いですが、恐らくシングルスレッドなのとクロックが低いですね。
処理速度はどうかというと同企業のPC版CPU(8コア2.7GHz)の評価記事を見ると、Intel第8世代のCore i3-8100(4コア3.6GHz)と比較してもっとも良いベンチマークテストでもシングル33%、マルチ67%程度という結果だそうです。このKH-40000と同じマイクロアーキテクチャという訳ではありませんが、プロセスルールも同等ですので恐らくそこまで大幅な性能差は無いんじゃないでしょうか。まぁ仮に倍でもCore i3-8100比66%ですし…
さて、ファブレス企業と言うことで実際の製造にはどこかのファブに依頼しないとならないわけですが、先日の米国の対中半導体輸出規制で16nm以下の半導体の製造には制限がかかっているわけで、はたして製造できるんでしょうか。
もちろん、米国の技術を使用していない半導体製造装置であれば中国でも製造できますが、現状そんなものは存在しないわけで。